こんにちは。大賀信幸です。すべては観察から始まる。
知財の中で商標を解説します。ビジネスに応用できればと日々考えています。今回は茨城県です。
知財 商標 マーケティング ブランディング 名産品 茨城県
茨城県って関東圏なんですね。大阪住みには意外でした。食材としては、あんこう鍋、ほしいも、メロン、納豆、黒毛和牛が有名らしいですね。
ネットであれこれ検索すると茨城県おみやげ大賞なるものを発見しました。
1位から5位まで記載します。
- 水戸の梅 亀印製菓
- 吉原殿中
- れんこんサブレーハスだっぺ JA農協いばらぎ
- メロンバームプレミアム 深作農園
- 天狗納豆 水戸納豆
早速商標を調べました。
水戸の梅
水戸の梅で商標登録が3つありました。
1つ目
商標出願1963年10月7日 商標登録1965年10月20日 出願人 水戸菓子工業協同組合
区分 小豆餡又は白餡を求肥で包み紫蘇葉にくるんだ和菓子
2つ目
商標出願1987年11月19日 商標登録1997年4月25日 出願人 明利酒類株式会社
区分 日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒
3つ目
商標出願2000年9月19日 商標登録2001年9月7日 出願人 水戸菓子工業協同組合
区分 菓子及びパン
で、どうなるの
それぞれ区分が違います。茨城県さすがです。知財の概念が相当深いですね。見習います。1つ目の水戸菓子工業協同組合はそのものずばりの和菓子での商標登録です。
しかしですね。ネットで検索した水戸の梅の販売元は亀印製菓となっています。僕の勝手な想像ですが、亀印製菓は上記水戸菓子協同組合の組合員ではないかと思うのです。
もしそうであれば知財は加入している協同組合が持っていて、その知財を組合員がビジネスにしている。知財費用を組合員が協同組合に支払っているとなると完璧ですね。想像通りかどうかは調べる術もないですが。
で、どうしたの
余談ですが、僕も協同組合の代表職をしています。代表職として日々思うのは協同組合の経営です。協同組合というても何らかでお金を稼ぐ部分をつくらないと存続できません。
協同組合は株式会社と違う部分は、株式会社はすべて株主の為に動けば良いように思います。そして商法的にも営利を目的にしなければなりません。割とストレートにビジネスできます。割り切れます。
この会社に比べて協同組合は、すべては組合員の為に活動をしなければなりません。なおかつ、何らかの事業をして金を稼いでこなければなりません。なおかつ、協同組合の意思決定は組合員一人につき1票ですから、皆の過半の合意が必要です。
株式会社の意思決定は1株につき1票ですから、過半の株式を所有すると意思決定が出来ます。協同組合は協同組合の株式の過半以上を所有していても、組合員一人につき1票なんです。
この条件で安定的に収益を出していかなければなりません。
僕の経営する協同組合は、代々土地を組合員に賃貸して安定的に収益を出す仕組みをつくっています。
過去には協同組合が銀行から金を借りて、借りた金を組合員に又貸しするビジネスをしていましたが、この部分は破綻しました。それはそうですよね。金を借りてくるのは今までの代々が構築してきた信用で貸してくれます。
問題はここからで、借りてきた金を組合員に簡単に貸せます。問題は貸した金を取り立てることです。取り立てノウハウがないのに金を貸していた。で、この部分は破綻です。
良く考えれば取り立てだけで、ヤミ金ウシジマくんとか萬田銀次郎とかの映画になるぐらいですからね。おっとりしている協同組合では金を取り立てることなんてできません。
で、どうするの
で、この知財に話を戻します。もし僕が上記で想像したように協同組合で知財である商標登録をして、この知財を組合員に知財使用料としてお金を得ることが出来るなら素晴らしいビジネスモデルです。参考になります。
特に知財の中で商標は商標登録を更新し続ければ永遠の権利になります。それはそうですよね。せっかく苦労して世間に認められる名前になったのに、有限の命では悲しいですものね。
これに対して特許は出願から20年間の権利しかありません。科学技術発展の妨げになる可能性があるからです。これもなるほど理屈ですね。過去に開発した技術の特許が無限に権利を主張すれば科学技術の未来は残念なことになります。
昔の人はよく考えています。僕も20歳代の時に特許の権利は出願から20年間と教えてもらいました。20年間かぁ。若いときの僕は20年と言えば無限の時間のように思えました。
しかし、今では20年なんてあっという間な感覚になっています。この感覚の違いはどこからくるのでしょう。僕以外の人の感覚も同じように思いますが。いかがなものかなぁ。
まとめ
茨城県の名産品を調べました。おみやげ大賞を知りました。ランキング1位から5位まで調べました。1位の水戸の梅という和菓子は1965年に商標登録されていました。
権利者と現時点の販売者が違いました。ここからは僕の想像なのですが、協同組合の新しいビジネスモデルになり得るかもしれません。
協同組合が知財を所有して、この協同組合の組合員がその知財を使う。事業組合は知財の使用料を得る。安定的に協同組合の収入になります。
おみやげ大賞2位以下はまたの機会に観察分析します。
内部リンク 全国47都道府県名産品