知財【特許や商標の事業化を考える】

こんにちは。大賀信幸です。すべては観察から始まる。

知財の中で特許を解説します。

知財 特許と事業

特許のことでいろいろ観察しています。特に特許の市場性とか事業性について観察しています。

観察していると、特許はどうやら目的になっているような感じがします。本当は事業をするのが目的なはずなのですが、いつの間にか特許申請が目的とか。特許取得が目的になっている企業や個人を見受けます。

同じことが商標にも言えることで、商標の目的はその商標でビジネスをすることであるはず。しかし商標取得が目的になっている事例も良く見受けられます。

具体例として、特許情報プラットフォームというサイトがあります。ここは特許や商標を調べるサイトです。適当な文字を入れて、例えば商標を調べてみてください。

今は春ですから試しにサクラって文字で検索してみます。サクラと検索したら、1778個の商標が出てきました。殆ど僕が聞いたこともない商標です。ということは、その殆どが事業化されていないことになります。相当意識をしていないと知財取得が目的になりがちな例です。

で、どうなるの

僕は無名でノーブランドですから、研究費用も潤沢にありません。研究設備も持っていません。

ゆえに研究の殆どは思考実験です。思考実験とは物理学の用語らしいのです。宇宙の始まりのビックバンとか。重力が無限大になるブラックホールなどは実験で検証はできません。

ゆえにどうするかというと、物理学者の頭の中だけで実験するのです。これを思考実験と表現します。僕は物理学者ではまったくありませんが、予算と時間の関係で思考実験しているのです。

思考実験では無数の失敗ができます。思考実験ではほぼ無限の数の実験ができます。思考実験ではいつでもどこでも実験ができます。思考実験は費用が掛かりません。

良いことばかりに見えますが、ひとつだけ欠点があります。それは誰も信じてくれないことです。なぜなら現実に実験していないからです。実験結果が現実に証明できないからです。

で、どうしたの

過去に僕が提案した特許を事業化しようと思いました。ご縁があってメーカーに試作品などを制作してもらいました。試作品も完成しました。この発明は、全国的な事業組合で賞も取りました。

僕はいつも思考実験でしか実験できないのですが、流石に株式を公開しているメーカーです。僕が夢にまで見た実験装置がありました。

このメーカーの研究室のすべての研究員が僕を受け入れてくださいました。さっそく共同での時間が持てました。

僕の思考実験の結果が試されるときがきました。結果、思考実験通りになりました。サンプルも出来ました。しかししかし、実際の事業化にはなりませんでした。メーカーの実験も試作品もメーカーが無償で提供してくださいました。

似たような事例は僕に取りまして複数あります。大手メーカーや商社が僕の特許を認めてくださりお金や研究の場を提供してくださいます。しかし事業化には至りませんでした。

ここで僕の至らぬ処を模索しました。ある程度の結論がでました。

どうやら、特許とか発明とかの適性と事業化の適性は違うのではないかと思うのです。豆腐屋さんと大工さんぐらい違うのではないかと思うのです。

最初はやれば何でも出来ると信じていました。しかし何も出来ない現実を目の当たりにしました。僕に出来ることは何か。模索しました。事業化には僕は適性がない。結論は、僕の適性は発案すること、研究することに集約されました。

ゆえに、僕らの株式会社知財事業研究所では特許出願、特許取得、商標出願、商標取得を軸として各企業にこれらの知財を提案し、企業の協賛を得て僕らが知財を研究するというモデルに結論しました。

知財の研究過程で事業化に適性な人材や企業を見つけ出します。事業化することに最大の注力をします。

で、どうするの

知財とは特許や商標を含む知的財産です。世間一般は知的財産という言葉に惑わされている感じがします。財産という表現ですから。特許や商標を取得するとすなわち、財産を得たと勘違いしている人います。

作家などでは一部、本が出版されれば良いとか言うている人います。出版も知財を扱っています。著作権です。自費出版ならこの考えもありかもしれません。しかし商業出版では出版社、印刷屋さん、書店、編集者など多くの人の手を経て書店に並びます。決して出版されるだけで良いなんてことは許されないのです。出版の世界での事業化としは、いかに売れる本を書くか、出版するかに集約されます。しかし文化的な側面もあることを僕は認めています。売上至上主義でもないことも確かです。

知的財産に成り得るのは知的財産が事業化されたときだけです。ゆえに特許取得や商標を目的にするのではなく、これらの事業化を目的にしなければなりません。

ジョブスのようにすべてに長けている天才はいるのでしょうが彼を真似しても真似できないし、ジョブスを真似しても再現性がないように思うのです。

まとめ

事業化を目的にするためには、明確に発明者、研究者、事業者を分けて考えなくてはなりません。

発明者と研究者は兼任できるような感じですが、発明者と事業者は兼任出来ないと結論しました。