知財 商標 ブランディング マーケティング【再度山は六甲山の隣。またまた弘法大師】

どうされましたか

商標の具体的な事例について知りたい。

こんにちは。大賀信幸です。すべては観察から始まる。

知財である商標を考察してみます。僕が観察するに神社仏閣が多い。昔の人ほどブランディングに敏感ですね。

知財 商標 ブランディング マーケティング 再度山

神戸には六甲山があります。阪神タイガースの球団歌にも出てきます。海側から見て六甲山を右に行けば箕面の滝があります。そして勝尾寺。左側を見ると摩耶山があります。関西一の夜景で有名です。摩耶山の右側が再度山です。参考まで再度山のまだ左側が須磨海岸になります。その向こうは明石大橋。海と山に囲まれた関西では人気のある街です。住んでも良し、観光にも良い。

再度山を考察します

再度山の山頂には大龍寺があります。僕は気になったのでなぜ再度山というのか調べました。再度と書いてふたたびと読みます。再度は二回目の意味です。二回目の山。どういう意味なのか。何かあったのか。ありました。どうやら弘法大師が船旅の無事を祈願してこの山に2回登った。で、再度山。なるほど。弘法大師ぐらい偉くて有名であれば山に2回登るだけでそれがブランディングになる。この山弘法大師が2回も登ってんで。凄いやろ。

それなら僕らも登るとご利益があるで

これがブランディングですね。他の山や神社仏閣との違いを明確にしています。そして名前も素晴らしい。弘法大師が2回登った山やから再度山。ここ、ここなんです。この再度山が現在なら商標になります。昔の人はなんて的確に商標の強力な効用を知っていたのでしょう。

弘法大師が2度登ったというストーリを考えた人天才です。なぜなら誰もがそれを証明できない。事実か虚実が証明できない。言い伝えを巧に演出しているとも感じます。

知財 商標の考察 青汁

これを現代に応用しているのがテレビ通販です。有名な芸能人呼んできて、〇〇さんも使ってる健康に良い青汁とかね。この青汁が商標になります。最強のブランド名ですね。ちなみに出願者はキョーサイ株式会社です。青汁の効用はもちろんのこと、この効用にもストーリが必要です。青汁の創業者の長谷川常雄が体調を崩しケールというアブラナ科の野菜のケールに植物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富であることを知り摂取する。体調が回復する。このケールを原材料とする青汁を販売。青汁を商標で調べると1992年4月30日が登録日となっています。国際登録日は1989年6月23日です。国際登録日の方が早いのですね。wikiで調べると、販売は1982年とあります。どうやら販売して10年後に商標登録。前後して国際登録。おそらく最初は不味く売れなかった。売れてきてこれは商標登録せねばと思われたのでしょうね。

まず成分での物語

この場合でしたらビタミン、ミネラル、植物繊維豊富。そして効用での物語。創業者の体調が良くなった。これだけでは誰もこの商品を知らない。

で、有名人呼んできて〇〇さんも飲んでいる青汁

テレビ通販。青汁がブランドとなり、この商標は最強になる。今では日本で青汁知らない人いません。商品販売、認知完璧ですね。ここまでのブランディングに1980年代から40年近くかかっています。

攻めか守りか

経営者の意識でしょうね。最初から青汁を商標にして攻めに使うのであれば青汁販売開始前後に商標出願しているはずです。で商標登録出来ることを確認してから販売でしょう。商標を経営にどう取り入れていくか。販売にどう取り入れるか。商品認知にどのような方策を使うか。どのような計画をするか。ここまで考えて商標出願するのは攻めの商標でしょうね。

で、攻めの商標の場合

商標出願して万が一にも商標が取れない場合は商品名を変える。商品名をかえて別名で出願する。これを繰り返して商品名で商標を取得できるまで出願し続ける。これが正しい攻めの商標でしょう。

青汁の場合は守りの商標

一般の弁理士の先生が多く使う守りの商標。まねされたらあかんで。だから商標取りましょう。商標出願しましょう。まねされたらあかんのは理解できます。だから販売開始から10年後に商標登録。ここ守りでしょう。おそらく創業者は最初、商標の効用をあまり知り得ていなかったのでしょう。商品が有名になってきた。売れ出してきた。認知されてきた。

ゆえにまねされたらあかんでアドバイスが外部からあり

または自覚し販売開始から10年後に商標登録出願した。もし、ここで商標登録出来なかったら相当痛手です。何が痛手か。それは今までのこの10年間の販売活動と青汁の認知活動に痛手です。青汁で商標登録出来ない場合は別のブランド名を創作する必要があります。創作するのは簡単ですが、問題はこの今までの商品認知活動が一切無駄になります。

で、どうなるの

再度山の弘法大師の時代は商標登録よりも認知活動を最初にしていたのでしょう。というよりも弘法大師の時代に商標はありませんでした。あったのは商標という考え方そのもの。他との差異を明確にするという考え方。いずれにせよネーミングとストーリーに弘法大師出てくるところ完璧ですね。青汁の例を出しました。結果的に商標取れたからいいですがもし取れなければ認知活動は無駄になったでしょう。

で、どうしたの

僕は商標を攻めに使うべきだと思います。商標こそ攻めに使うべきです。商品やサービスを商品化するまえに認知活動する前に商標出願します。そして出願してもすべてに商標取れる訳ではありません。商標を取れたのを確認して商品やサービスの販売活動や認知活動します。

で、どうするの

ブログ読者が今から何かビジネスをする。販売したいサービスや商品がある。とするならまずは商標出願です。出願にはある程度の商標の知識が必要です。どんな知識かって。それはね。商標を取る知識よりもそれを使う、使える市場の知識です。まずは弁理士の先生に連絡することです。ビジネスを知っている弁理士の先生ですよ。くれぐれも。

まとめ

再度山考えた人天才です。弘法大師に着目したところもセンス抜群です。今の時代では秋元康以上の才能でしょうね。青汁の例は守りの特許で成功した例ですが、もし守りきれなければ販売開始から商標取得までの時間が無駄になるところでした。青汁の場合は10年。危ういところと僕は感じました。攻めの商標に徹していればこの危うさはなくなります。商標はサービスや商品をつくったときから出願すべきです。そして商標登録されてからその商品やサービスを販売、認知活動すべきです。

内部リンク 弁理士山本英彦

外部リンク 商標検索サイト