知財 商標 マーケティング ブランディング 【山形県の名産品。さすがに商標活用されています。よく考えているように感じました】

こんにちは。大賀信幸です。すべては観察から始まる。

知財の中で商標を解説します。ビジネスに応用できればと日々考えています。今回は山形県です。

知財 商標 マーケティング ブランディング 名産品 山形県

将棋をされている方なら当たり前に有名な天童。天童市のwebページから抜粋します。天童市は日本一の将棋の街で全国シェア95%とのこと。

将棋のルーツは古代インドのチャントランガというさいころ将棋らしい。日本に伝えられた時期は明確ではありませんが、平安時代の11世紀頃には既に遊ばれていたとのこと。日本将棋は取った駒も自軍の駒として使えるなど日本独自に発展した。

江戸末期、天童は織田信長を藩祖とする天童織田藩が統治していました。統辞、財政救済の為に家老の吉田大八が将棋駒つくりを奨励したのがはじまりとのこと。

天童織田藩は、織田信長の次男信雄を祖先にもつ藩とのこと。織田信長が1582年明智光秀に襲われて本能寺で自害し、次男織田信雄が跡を継ぐことになりました。その後、織田家は1831年に藩主の信美が天童に入り天童織田藩が成立したとのことです。

また、家具で有名な天童木工。これらは山形県にあります。

将棋や家具は名産品で全国的にも有名です。

で、どうなるの

これらの商標を調べてみました。

将棋

残念ながら将棋は普通名詞ですので商標にはなりません。現実に商標登録はされていませんでした。将棋の駒の商標も登録されていませんでした。

天童将棋も商標登録されていませんでした。

マーケティングブランディングで天童将棋を考えるとき、商品名で天童将棋は商標出願してみる価値があるかもしれません。なぜなら将棋という普通名詞に何かをプラスしたら商標登録できるかもしれないですからね。

普通名詞プラス普通名詞でひょっとしたら商標登録できるかもしれません。これがだめなら、天童の将棋ででも商標出願してみるべきでしょう。

商品としての将棋関係の商標を諦めるのなら、次はその商品は誰がつくっているのか、でブランディング出来るように思います。

会社名天童将棋で商標登録出来るかもしれません。アップルが会社名で商標になっているのですからね。もし会社名天童将棋で商標登録できたなら、マーケティングブランディングでは相当有利に働くと思います。昨今ネットの時代ですから。僕のように一度も山形県を訪れてない者はネットで検索するしか方法はない訳ですから。

天童木工

天童木工は天童木工の会社名で商標登録されていました。僕は建築やインテリア系の仕事をしています。天童木工といえば業界では知らぬものがいないほと有名です。明確にブランド化されています。天童木工は家具を製造しています。ジョブスのアップルのようにiphoneとかmacbookとか商品名をブランディングではなく、会社名まるごとブランディングしているところが素晴らしく感じました。

で、どうしたの

今後天童木工が製造するモノすべてがブランド化される訳ですからね。CHANELが何を商品にしてもCHANEL化されているのと似ていますし、それを意識されているのでしょう。家具界のCHANELにもうなり得ていると僕は思います。

山形県の名産品を調べてみました。

1位、木村屋 古鏡 こきょう

山口県鶴岡市に本店がある木村屋は創業100年を超える。看板商品の古鏡は羽黒山の鏡池から出土された鏡をモチーフにしたお菓子。

商標を調べました。商品名を商標登録しています。それも1957年3月28日に商標出願で、商標登録が1958年1月11日。この頃から商標を意識されてるとは素晴らしいです。それも商品名で商標登録されている。もう少し詳しく調べて見ますと、同じ木村屋が権利者で別の商品名でも商標登録されています。

2位、杵屋本店 旬香菓 しゅんこうか

1811年創業の杵屋本店は山形を代表する菓子店。旬香菓は日本一の生産量を誇るさくらんぼの果実を入れている。

商標調べました。

残念なことにしゅんこうかでは商標登録ありませんでした。しかし他の商品では権利者杵屋本店で商標登録複数ありました。想像するに、この商品名しゅんこうかは新しい売り出して間もないもののようですね。この会社の攻め方はまずは売り出して様子見するのがセオリーになっているかもしれません。売れてから商標登録するのが常なのかもしれません。少し危うさを感じます。

3位、腰掛庵 わらびもち

きなこがたっぷりかかったわらびもちとのこと。全国的にも有名で予約しなければ手に入らないとのこと。

商標調べました。良い感じです。皆、商品名で商標登録しています。このお店の商品はどこにでもある、わらびもち。これを他の商品と差異をつける方策は、わらびもちのできるまでの物語をつくるぐらいしか方策はないのではと思っていました。例えば、原材料がどうのこうのとか。聖徳太子も食べたわらびもちとか。しかしこのお店の素晴らしのは、腰掛庵という会社名で商標登録していることです。これなら、どこにでもあるわらびもちを、腰掛庵のわらびもちとして販売することができます。現実にも腰掛庵のわらびもちとして有名になっています。これはぜひと見習うべきです。

で、どうするの

商品名で商標登録できないのであれば、その商品を製造している会社名で商標登録すべきです。上記わらびもちのように他の商品との差異を付けにくい場合は特に会社名をブランド化すべきです。

まとめ

わらびもちの例を深めに考えると、あえて誰でも知っている商品名を商品にしている感もあります。誰でも知っている商品名ですから商品名を覚えてもらう必要がない。例えば、おせち料理とか。漬物とか。しかし誰が製造しているおせち料理なのかでブランディングできます。この誰ががブランディングです。この方策は相当高度で練られている印象を受けました。

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